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特定ケア看護師(NDC)としての役割を模索している日々

はじめまして、私は市立大村市民病院で勤務をしている、NDC4期生の辻一成と申します。

私は、令和2年にJADECOM特定ケア看護師研修を修了しました。現在は、当院の臨床研修(ローテーション研修)をおこない、臨床推論に重点を置き、受け持ち患者の治療計画を指導医と協議し実践しています。

 

<写真1> 市立大村市民病院

 

4月からの半年間は、内科(総合診療科・呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科)のローテーション研修を行いました。以前まで、私はクリティカル領域の看護を専門としてHCUで勤務し、他の病棟へ足を運ぶ機会はあまりありませんでしたが、各病棟で担当患者を受け持たせていただいています。

診療科ローテーション研修と看護師の相談にも対応が可能と考え臨床研修に臨んでいましたが、担当患者の治療内容や状態変化について指導医と協議することがやっとで、病棟看護師の相談内容については十分対応できていないのが実情です。

21区分38行為の特定行為は、医師から「PICCの挿入はいいのに、CVの挿入はできないの」「胸腔ドレーン抜去は可能で、挿入はできないんだ」などの発言があり、その都度、特定行為についての説明を行っています。

また、特定行為を実施する場合は、指導医(主治医)が多忙の中、同席を依頼することが難しいと感じる場面も少なくありません。看護師からは「採血が取れないから動脈採血してください」「末梢ライン確保が出来ません、(エコー下)確保お願いします」など、病棟看護師の全ての要望には対応ができていない状況です。独り立ちを目指し、奮闘しています。

NDC研修では、医師の臨床推論(思考過程)を叩き込まれて来ました。早期の治療介入には、身体所見を正しく把握し、診断に有用な情報をいち早く提供することが重要となります。その一端を担うことができる存在がNDCであると考えます。

 

<写真2> 大村公園 夜桜

 

先日、病棟看護師からの「何か変?」という相談を持ちかけられました。入院中に心不全が悪化し、その治療中に発熱を呈した患者でした。突然の発熱に対して、身体所見と経過から発熱の原因精査を実施しました。

指導医に相談後、Fever Wake upを実施。他に、エコーで胆のう炎やIEの有無を確認しました。原因不明の発熱も考慮し、7Dによる原因検査を実施し、尿路感染症の可能性が高いことを進言、抗菌薬の治療が開始となり、早期の治療介入が実践できました。

診断に必要な所見を提示し、専門的な判断を医師に依頼する。私は看護師からの”何かおかしい”の相談に適切に対応することで、早期診断・早期治療が患者の状態悪化を防ぐ事に繋がった可能性があると考えます。何かおかしい→具体的な身体所見と検査値の推移の把握により、主治医が診断に有効な情報を適切なタイミングで提供する。これこそがNDCの役割であることを、今回の症例を通じて実感することができました。

私は、NDC4期生の同僚と共に日々の研修に臨んでいます。多くの悩みを共有し、切磋琢磨できる関係性に感謝しています。

今後も、謙虚さを忘れる事なく、日々の研修を大切に、学びを深めていきたいと思います。