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1年間の臨床研修を通して

診療所研修でお世話になった六ヶ所村医療センターで行ったレクチャーの様子です。

 

はじめまして。
練馬光が丘病院所属 NDC 5期生の佐藤 美紀と申します。

2021年3月に特定行為21区分38行為を修了し、現在臨床研修中でいよいよラストスパートといったところです。

当院は私たち5期生から初めて内科研修プログラムを設定し、総合診療科7か月、ER 3か月、ICU 2か月、本部規定の診療所研修2週間をローテートしました。

臨床研修は、初期研修医と同様に指導医とともに患者さんを担当し、病歴聴取、身体所見・ROSを取り、鑑別を挙げつつ必要な検査を考え、アセスメント、プランを立てて実行・評価するといったことを行っています。
こうして説明するのは簡単ですが、実際にはスムーズにいかないことも多く、戸惑いばかりです。
〇〇徴候ってどうやって取るんだっけ?
エコーを当ててみたけど前回からの変化の評価が難しいな。
参考書に書いていることが実臨床だと合わない、どうする?
そんなことを考えていると、次どうします?まだですか?
と言われることなんて日常茶飯事で、ああ私も初期研修医に同じことを言っていたなと思う日々です。

 

コロナ第5波の中、ご指導くださったINTENSIVISTの方々。この時期の研修だったからこそ経験できたこともあり貴重な時間でした。

 

「全人的にみる」「タイムリーな対応」これが私たちNDCのテーマであり、目標としていることですが、いくら看護師の経験があり、看護師側の気持ちや動き方がわかったとしても介入がうまく行かない場面はたくさんあります。
学びを深めたゆえに時間がかかり、悩むことも少なくありません。
私たちが診療に携わることで結果として医師の診察が入らなければならないため、二度手間になってしまうこともありますし、疾患や状況によっては医師が診たほうが全人的にみることができるケースもあります。
しかし、その中でも自分たちが入ることで診療やケアの質の向上に繋がる場面も実感しています。

必要なのは常に、自己研鑽、自己評価、できることとできないことを見極め線引きをすること、それをきちんと示すことだと思います。

こうして臨床研修を通し、特定行為21区分38行為のみを使って患者さんをマネジメントするには限界があることもわかりました。
私たちNDCがタイムリーな対応を求められる場面といえば、緊急時もありますが、「医師に確認したいけど忙しいだろうし、聞きづらいな。でもできれば早く対応してほしいな。」ということが多いように感じます。主には、鎮痛剤や解熱剤、下剤の開始、睡眠薬の変更の相談や食事形態の変更、安静度の変更などでしょうか。また、褥瘡の処置や軟膏の選択は逆に医師から相談を受けることもしばしば。
そのため、今後特定行為にはこういった内容が入ってくれたらいいなと密かに思っています。

 

総合診療科の初期研修医+専攻医+指導医と。6期生の中村さんが横須賀市民病院から共通科目研修で来てくれていました。

 

まだまだ始まったばかりの制度ですが、先陣を切る先輩方がいてくださるからこそ、確実に、着実に必要性を感じてくださっている方が増えているように感じます。
今、与えてくれている数々の場を自分によって崩さないよう今一度気を引き締め、大事にしていきたいと思います。