活動ブログ

ホーム > 活動ブログ > 特定ケア看護師ブログ > 臨床推論を学んで

臨床推論を学んで

今月のブログを担当させていただきます、横須賀市立うわまち病院のNDC7期生、日髙 佑紀と申します。

昨年度に卒後臨床研修を終了し、総合診療内科に所属し、医師の指導のもと診療に携わっています。PICCやA line挿入などの特定行為の手技をはじめ、微量元素・栄養チームの活動、ラピッドレスポンスの対応や、患者さんの入院から退院までの治療・マネジメントを行っています。

これまで病棟看護師として約10年、看護や治療、疾患を学び、看護ケアや業務に勤しんでいました。しかしNDC研修や卒後研修で臨床推論という思考プロセスを学び、その必要性を知ることができました。
臨床推論とは、患者さんの状態を評価し、適切な診断や治療を行うために、患者さんの症状、身体的所見、検査結果、および医療知識を統合して、最善のアプローチを選択するための思考プロセスです。当たり前のことを言っているようですが、医師がこれまでどのように患者さんを診断し、なぜこの検査や治療を行うのか、疑問にも思わない事柄もたくさんありました。
また病棟に入院してきた時には既に医師カルテの記載があり、初療過程を考えることなく、カルテを読んで全容を理解したつもりで過ごしていました。なので、いざ自分で実践する場面に立ち会うと、疾患の鑑別も疎かで、既存の知識と経験での拙いパターン認識をしていたことにようやく気づきました。

とりあえずこの検査を、というような抽象的な考えでなく、問診や身体所見から検査前後確率を想定し、感度・特異度を理解した上で必要な検査を行う、など分析的アプローチによる臨床推論が重要なのです。初療だけでなく、入院中の患者さんの容体変化や訴えに対しても状態把握やタイムリーに介入するために必要不可欠な思考プロセスなのです。

初学者として、必要な問診、身体所見、適切な検査を考えるだけでも未だ時間を要します。適切な治療や患者さんのニーズに応えるためにも、知識や経験を積み、地域や自施設に貢献できるように頑張りたいです。

うわまち病院 NDC team